鍵っ子、そんな言葉もすっかり聞かれなくなりました。子供の数が減り、親と一緒に帰宅することが可能になった、そんな背景もあるのでしょう。
とはいえ、親にとって鍵の問題は切実です。仕事のことを考えると出来れば渡しておきたいのですが、落とす、失くす、盗まれる、さらに自称親の友達なる歓迎されざる客を招き入れてしまう、そんなリスクを考慮しないといけないので大変です。また解錠することはできても、その後で閉め忘れてしまう、そんな心配も頭の痛い問題です。
そんな状況を解決する手段として、スマートフォンによる施錠・解錠が可能になりました。サムターンと呼ばれる部分に専用の部品をかぶせて使います。
これによって鍵を持ち歩く必要はありません。スマートフォンで専用アプリを起動して施錠・解錠するだけ。
この仕組みを使うと、一定期限付きで友人に鍵をシェアすることができます。帰宅が遅れて待ってもらう場合、鍵をシェアすれば友人のスマートフォンで室内に入れます。期限が経過すれば使えなくなるので安心です。
この画期的な方法にとある業界が目を付けました。どんな業界だと思いますか? 何と不動産業界なんです!
これまでの不動産営業で居住物件を扱う場合、社員同行による内覧が当たり前でした。普段は施錠し、鍵を持参し、内覧が終了するとまた施錠しての繰り返し。内覧時間が長くなると、次のお客様をお待たせせざるを得ませんでした。ところが、このシステムを使えば、お客様へは現地へ直接行ってもらい、不動産業者がスマートフォンで30分限定の鍵をシェアするだけ。お客様もゆっくりと内覧が出来ます。
スマートフォンの使い道には驚くばかりですが、これを紛失したら鍵があっても入れないでは本末転倒です。頼りにするのは良いですが、依存しすぎないようにして下さい。